三菱重工グループの三菱重工機械システムは2024年6月28日、新聞用オフセット輪転機(新聞オフ輪)の新台の製造を止めること決定した。
同グループは1966年に初号機を納入して以来50年以上にわたって、延べ670台を超える新聞オフ輪を納入してきた。表向きの理由は、新聞オフ輪に関わる人員の高齢化、部品の調達が困難になっている状況――などであるが、新聞の発行部数の減少を見越しての生産中止であることは間違いない。
新聞発行部数は2000年の5370万8831部から2023年には2859万486部と半減しており、このままでは2040年代には消滅する試算になるが、三菱重工グループは最長でも2036年3月までにアフターサービスも終了する。需要面からも供給面からも、2030年代から2040年代には、紙の新聞そのものが消滅することが予測される。
なお東京機械製作所の動向は今のところ分からない。インクジェット新聞印刷機の生産は継続しているようであり、新聞もマス媒体ではないところで生き残るかもしれない。
新聞の文化がなくなるということは、折込チラシの文化もなくなるということである。B輪オフ輪を廃棄する動きは加速しており、商業印刷の苦境は避けられない。