
アメリカ・ウィスコンシン州の印刷会社・シーウェイ社(Seaway)は、プリプレス・プレス・ポストプレスの自動化により各機械のワンマンオペレーションを可能にしている。とくに2024年に導入したハイデルベルグ「スピードマスターXL106-8-P」にはdrupa2024でも話題となった、完全自動版搬送システム「Plate to Unit」が搭載されている。
シーウェイ社は高品質な印刷・製本において世界有数の会社で、最新技術への積極的な投資で過去10年、年平均15~20%の安定した成長を遂げている。その源泉は各工程における自動化の推進だ。
版においては、自動インラインプレートベンディング&パンチング機能の付いた2台のスープラセッター106CtPで刷版、前述の完全自動版搬送システム「Plate to Unit」でユニットに装着する。そのためオペレーターの作業負担を軽減し、オペレーター1人をより価値の高い生産工程に割り当てることができる。

用紙においては第4世代のカットスターインラインシートカッターにより、シートではなくロールを使用することで、オペレーターは給紙作業から解放され、8時間シフトあたり35~50分の作業時間削減が可能になった。

印刷においても自動インラインカラーコントロールを実現するプリネクトインプレスコントロール3により、品質やスピードを落とすことなく、ワンマンオペレーションが可能となっている。同社では2018年に比べて生産性が20%向上した。
ポストプレスでもデリバリー部からパレットへ丁合の束を自動的に積み上げるスタックスターPロボットスタッキングシステム3台がサポートしている。これにより10万部の丁合においても2人オペレーターで運用することができた。

これらの自動化により労働力不足を克服するだけでなく、テクノロジーに興味を持つ若い人材採用にもつながっているという。ケビン・へスリン氏は「自動化テクノロジーへの継続的な投資は、市場での競争力を維持し、成長と競争力の目標を達成するためには不可欠です。ときに当社の専門分野である短納期案件における生産性目標の達成は不可能でした」と話している。