熱転写シート製造および販売を行う株式会社尾崎スクリーン(香川県坂出市)は「HP Indigo 7Kデジタル印刷機」を国内で初めて熱転写サービスに活用し、飛躍的な生産性向上と、高品位で高付加価値なデジタル転写サービスの実現に貢献している。
尾崎スクリーンは、1982年に創業し、ユニフォームやTシャツなどの生地への熱転写シートの製造、販売および転写加工に特化しており、アパレル、イベントやセールスプロモーションなど多様なニーズに対応してきた。データ入稿、転写シート作成、転写加工といった工程を全て自社で対応することで低コスト、短納期、ロットを問わない対応に強みを持っている。
従来のデジタル転写ソリューションは、デジタル印刷機で印刷後にシルク印刷で糊をつけパウダーをつけて乾燥させるなど複数の後工程を必要としていた。また、印刷見当ズレが発生するため、後工程の位置調整を手動で行う必要があり、生産性の面で課題があった。同社は、見当精度向上による後工程の効率化・自動化による生産性向上に加え、高品質フルカラー転写マークのさらなるビジネス拡大に向け、「HP Indigo 7Kデジタル印刷機」を2023年10月に導入した。
尾崎スクリーンは、「HP Indigo 7Kデジタル印刷機」の導入により、従来は手作業に頼っていた後工程の自動化により、製造に要する時間が約10分の1(5時間だった工程が約30分に短縮)となり、人員も約4分の1(1ラインあたり8人体制から2人体制へ)に効率化された。作業負荷が軽減されたことでスタッフを他の業務に再配置しながらも、最大数万シート規模の製造にも対応できる生産能力を獲得した。増大する需要にも応えられるようになり、全体効率の向上とサービス拡充につながっている。
さらに、「HP Indigo 7Kデジタル印刷機」により、フルカラーに加えてRGBの7色印刷や、微細なプリント精度が可能となった。これにより、アニメやイラストなど色鮮やかなデザインの転写シートも忠実に再現でき、よりインパクトのある商品提供を実現している。また、有害化学物質試験にクリアした繊維製品のみに与えられるラベル「エコテックススタンダード100」の最高レベルであるクラス1を取得した、安全で環境へ配慮した高い品質基準を満たす商品の提供も可能となっている。

これらの技術により、ユニフォームやアパレルの用途で求められる、高品位かつ耐久性に優れた安全で安心できる転写プリントを安定して提供することが可能となった。
同社のIndigoデジタル印刷転写サービスは、現在同社売上の約20%を占めるまでに成長している。今後同社は、主にアパレル関連のサービスに対し、より付加価値の高いサービスの提供を目指していく。
大須賀卓也常務取締役は「われわれは日本国内におけるフルカラーマーキング転写の先駆者として、今後もリーディングカンパニーであり続けたいと考えている。このたび、Indigoデジタル印刷と水性スクリーン印刷を融合させた「D.O.T.(デジタルオフセットトランスファー)」が完成した。流行のDTF転写や従来のPOD.転写とは異なり、Indigoならではの鮮やかさと専用開発のバインダーにより高品質かつ高耐久性を兼ね備えたハイエンドな仕上がりを実現している。また、Indigoを使用することで、最も重要な後工程の効率化が図れ、スピーディーかつ大量生産も可能となった」とコメントしている。