イノベーションを起こす企業群をクラスターというが、東京都はグローバルイノベーションに挑戦するクラスター創生事業「TiB CATAPULT(東京イノベーションベース カタパルト)」を展開している。東京都と締結したクラスターは、3年間でスタートアップとの協働を促進し、20件以上の協働事例を創出する。令和7年度は6つのクラスター(①ロジスティクス② XR(クロスリアリティ)③ものづくり④次世代モビリティ/ロボティクス⑤フードテック/ウェルビーイング⑥エンタテイメント)が採択されたが、そのうちのXRクラスター「XR Innovation Lab」の代表企業に大日本印刷が選ばれた。

XR Innovation Lab」は、XRAI(人工知能)等の技術を活用して、すべての人が場所や言語等の垣根を越えてつながる社会をつくることを目指している。スタートアップの独創的なアイデア・技術と、クラスター構成企業の場やコンテンツなどを掛け合わせることで、ビジネスや学びに「楽しさ」や「遊び」といった体験価値を与え、新しい経済活動を創出する。

具体的には以下の4つを構想している。

  • XR技術を活用したイマーシブストアXR技術を活用して、バーチャル空間のメタバースとリアル店舗を連動させることで、ゲーム感覚で買い物が楽しめるロールプレイング型のイマーシブ(没入感のある)ストアを構築する。生活者は仮想世界でキャラクターとなって商品を探索し、リアルな購買を体験できる。エンターテインメント性の高い新しいショッピング体験を生活者に提供し、来店動機の創出や購買意欲の向上を図る。
  • メタバースとリアル会場を融合した交流型セミナープログラム…セミナープログラムをメタバースとリアル会場を融合して実施することで、不登校の児童・生徒や高齢者など、外出が難しい人々や、国内外様々な拠点を持つ自治体・企業が時間と場所を問わず気軽に参加できる交流の場を提供する。また、ゲームを活用した教材の開発にも取り組み、仮想空間でのコミュニケーションを通じて、参加に対する心理的なハードルを下げ、楽しく学び・つながる機会を創出する。
  • 生成AIとクリエイティブの融合による新しい体験価値の創出…生成AIの技術を活用し、アニメやAIエージェント(代理機能)による対話型体験を生活者に提供する。個々の生活者とのコミュニケーションを通じて、AIがその人に個別最適化したストーリーやキャラクターを生成し、新しいコンテンツ体験を実現する。また、自治体・企業にサービスを提供することで、映像制作にかかるコストやリソース不足といった課題を解決することも目指している。エンターテインメントや教育・学習、接客などの分野で、より魅力的で没入感の高い体験価値を創出する。
  • 協働で開発したサービス・コンテンツのグローバル展開…協働で開発するサービスやコンテンツについては、構成企業の海外拠点を活用してグローバルに発信する。例えば、DNPが米国で運用する「東京アニメセンター in サンフランシスコ」などを通じて、日本発の技術やカルチャーを世界に届ける。これにより、国際的な認知度の向上と市場拡大を目指す。
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