
全日本印刷工業組合連合会が長年提唱している通り、地域活性化ビジネスは中小印刷会社の王道だといえる。ロボットスポーツ、地域名勝での結婚式のプロデュース、漁業専門のフリーペーパー、などなど。なかにはエリアマネジメントに参画し、行政に働きかけ、地域の歩道を拡幅し人流を良くして地域の活性化につなげた事例などもある。すべて印刷会社の取り組みだ。
2025年に話題になったのは新聞オフ輪会社である毎日新聞首都圏センターによる「きくらげ」の栽培だ。24時間温度湿度が管理され、機械操作に慣れたオペレーターが常駐しているオフ輪工場は、実はハウス栽培に適している。埼玉のオフ輪工場で作られた「彩のきくらげ」はマスコミにも取り上げられ、有名レストランなどで採用されている。
農業では山梨県の老舗印刷会社・アドヴォネクストが甲府盆地有数の70反の作付面積を持つ農業法人を運営していることは有名かもしれない。福岡県朝倉市の印刷会社・四ヶ所も農業法人を立ち上げ、印刷事業を超える会社の柱にしたいと意気込みを述べる。漁業では陸上養殖に取り組み始めたプリントネットがある。
一見シナジーがないようにみえる地域活性化事業も、地域ならではの社会課題を発見する力が強みとなって、新たな飛躍のきっかけになると考える。















