大手出版社KADOKAWAのデジタル印刷工場「BECファクトリー」(ところざわサクラタウン)における書籍製造数が2025年1月に累計3000万部に達した。2018年から試験的に生産活動を開始、2020年に「ところざわサクラタウン」に移転し本格稼働していた。2025年度の年間生産部数も850万部に達する見込みで、オンデマンド出版による最適在庫を目指した同社の取り組みが奏功しているもようだ。
KADOKAWAの国内紙書籍は年間6200点以上、累計13万点以上ある。同社のデジタル印刷では100部からの製造が可能で、返品率の減少、売り逃しの防止、絶版の解消、環境対応などを実現している。従来の初版はオフセット印刷、重版がデジタル印刷という形だったが、近年は一般書においても初版をデジタル印刷で製造するケースが増えてきているという。
村川忍COOは「角川文庫やライトノベルの重版においては2023年にデジタル印刷によるボリュームがオフセット印刷のボリュームを超え、デジタル小ロット製造による間断ない重版体制を持つことの重要性がますます高まってきたことを実感している」と話している。