「モトヤコラボレーションフェア2025TOKYO」が710日・11日の両日、東京・秋葉原のアキバ・スクエアで開かれた。

同展は印刷機材商社の株式会社モトヤが、印刷会社同士の作業交流を目的に毎年開催しているもの。今回もコラボレーションゾーンだけでも全国から47社が出展、オフ輪のインラインフィニッシュからデジタル加飾、推し活グッズからサステナブルな印刷物まで、さまざまな提案がなされた。デザイナーの来場者も多く、例えば株式会社マツモト(福岡県北九州市)が提案するUVラミコート(いわゆるLCコート)による多彩なホログラム加飾には絶賛の声が上がっていた。

セミナーも開かれ、10日午前には第一線で活躍するデザイナーの樋口泰行氏(樋口デザイン事務所代表)が「今、仕事に活用できる画像生成AIとその進化」と題した講演を行い、若手オペレーターを中心に満員の参加者を集めた。樋口氏は生成AI機能が随所に散らばめられているAdobe Photoshopを実際に操作し、①写真上の被写体消去②電線などの一括除去③裁ち落としの生成拡張④人物の肩切れの生成拡張⑤低解像度写真のサイズ拡大⑥ビットマップのベクター化⑦イラストの生成拡張⑧ガラス映り込みの分離――の方法を伝授した。樋口氏は、従来ならば半日から1日かかっていた作業が数分で済み、オペレーターの負担が軽減できる一方、まだまだエラー(特に文字)が出るので目視が必要であり、著作権問題も含め、顧客からは生成データではなく元のデータをもらうことを奨励した。

10日午後には全国の中小印刷会社約4000社を束ねる全日本印刷工業組合連合会の瀬田章弘会長が登壇し、価格競争ではなく印刷会社同士の協力による「価値協創」を訴えた。

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