AIの社会実装が日に日に進んでいるが、印刷会社もAIを使ったソリューションを提供し始めている。
大日本印刷㈱(東京)は顧客企業の広告の予算配分をAIで算出する「DNP販促最適化AI」の提供を2024年10月中にも開始する。コンビニ各店舗の広告予算・店舗情報・商圏情報をAIにインプットすると、折込チラシやYouTube動画など各媒体への予算配分を抽出してくれる。大日本印刷㈱は今後、チラシや動画などのコンテンツ制作から配信までをシームレスにつなぎ、広告効果の最大化をめざす。
シール・パッケージ製作の㈱丸信(福岡県久留米市)は日本酒ラベルの校正をオンラインAIにより最短10秒で行う「mikaesu」を無料で提供している。同社の食品表示ポータルサイト「食品表示.com」内のサービスで、日本酒ラベルで求められている必須表示項目や原材料・フォントサイズなどの表示ルールをAIでチェックし、確認事項を自動で知らせる同社独自開発の仕組み。
佐賀県佐賀市の総合印刷会社である福博印刷㈱は、AIで顧客をスコアリングし、スコアの高い顧客にDMを送ることで、DM効果を最大化する「AI×DM」を展開し、金融機関の大口顧客獲得につなげている。また画像認識AI技術を使ってカラスを駆除する「AI-SCOPE」も展開中だ。
印刷業界では画像やテキストなどを自動生成する生成AIに注目が集まりがちであるが、コンテンツの生成のみならず、顧客のマーケティング支援から品質管理支援までAIが活用されている。