2025年12月1日、東京・港区のコニカミノルタ本社で行われた「マーチングEXPO2025」では、一般社団法人マーチング委員会(井上雅博代表理事)の全国のメンバーが地域振興の取り組みを紹介した。一部を紹介する。
仲間の助言を得て助成金を取得、神社周遊ツアーを主催

永代印刷株式会社(岩手県盛岡市)は1974年創業、従業員48人の印刷会社。「みちのくマーチング委員会」として活動している。佐々木秋枝社長の実家が岩手県花巻市大迫町の神社宮司であることから、また前回のマーチングEXPOでの事例にヒントを得て、花巻大迫町の神社参拝や神楽鑑賞ができるツアー「花巻市大迫町神社周遊プラン」を2025年10月と11月に企画した。株式会社ミヤプロ(さぬきマーチング委員会)の全面支援のもと助成金の取得にも成功、実家の神社の由来書や案内看板の設置もできた。以上の説明を行った佐々木社長は「今まで地域の当たり前が私の当たり前だったが、今回のツアーを企画してみて新しい視点を見つけ、新鮮だった。息子が実家の宮司を務めてくれ、娘も来年帰ってくる。早池峰山のガイドや、翻訳・ツアー企画会社の方など仲間もできた。民泊にも挑戦し、事業として継続して地域と会社が発展できるようにがんばりたい」と話した。
ご当地ガチャ好評、「カプセルトイ協会」設立の記者発表会も盛況に

株式会社いわき印刷企画センターは1965年創業の印刷会社で、「いわきマーチング委員会」として活動している。同社はDTFプリンターなどグッズ製作ができる設備を擁し、スタジオも持っている。地元の学校長との縁で、台湾高雄市の日本人学校のイラストを提供して現地との交流を深めたり、地元の産学官連携のセミナーに参加したり、美空ひばり像など地元コンテンツのマグカップやTシャツ、マグネットステッカー、缶バッジなどをお土産店やサッカー試合会場、展示会などに卸したりしている。地域グッズのガチャ「ご当地ガチャ」も成功し、「カプセルトイ協会」を作り、記者会見を行ったところ、多くのメディアが集まった――以上のことを鈴木一成社長がプレゼンテーションした。
ロボットスポーツで地元の町工場と学生を盛り上げる

あだちマーチング委員会の瀬田章弘代表は全日本印刷工業組合連合会の会長も務めている。つくば市や秋葉原に近く、技術の持つ町工場や学生も多いことにインスパイアされ、一般社団法人ロボットスポーツ協会を設立した。2025年7月、初のロボットスポーツ大会を開催、自分たちが作ったロボットで対戦するゲームには観客もプレイヤーも大盛り上がりした。足立区だけでなく、ロボットスポーツ特区である相模原市でも活動し、2030年にロボットスポーツ世界大会を東京で開催し、ムーブメントを起こすことを目標にしている。荒川区や足立区でロボット製作教室なども開催している。瀬田代表は「子どもたちもものづくりで自分の道を探したい、親御さんも自分で発想して工夫してほしいという思いがある。みなさまも地域に根差したロボットスポーツチームを結成し、対戦することで、地域地域を盛り上げていただきたい」と呼びかけた。

もばらマーチング委員会の株式会社さくら印刷(鎌田貴雅社長)では、2025年4月にマーチング委員会顧問である並木将央氏の地元講演を機に、有志が集まって月一回の勉強会「茂原交流会」を開いている。毎回、映画ロケツーリズム、工場見学ツーリズム、AR、NFTアートなどさまざまなテーマの識者が講演し、地元での活用を議論している。中でも高校生が地元を擬人化しイラスト化し対戦して遊ぶトレーディングカードなどが注目された。別に「外房会議」も開き、農家とカフェの協業などを促している。鎌田代表は「継続がすべて土台で、月一回のペースを継続できれば。イニシアティブをとって、会社の利益にもつなげていきたい」と抱負を語った。
「マーチングイノベーション読本」など情報満載
そのほか、利根川英二塾長の湯島本郷マーチング委員会のフリーペーパーが100号を迎え、記念セミナーが開かれたこと、井上雅博代表理事が代表を務める農業法人たとみ農園では、3年後に作付面積40ha、売上1億円を目指していることなどが紹介された。第一部の並木将央顧問による熱演、新たに制作された「マーチングイノベーション読本」の紹介など、委員会メンバーでしか知りえない情報も満載となった全国大会だった。
一般社団法人マーチング委員会
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