
春の北海道・東北・北陸を一人で旅した。紙の旅行ガイドブック、地図、時刻表などはついに使わなかった▼代わりに活躍してくれたのがAIのGeminiだ。私は太宰治、宮沢賢治、松尾芭蕉などのファンだが「太宰治のゆかりの地」とGeminiに聞くと、津軽・金木の「斜陽館」をはじめいくつかピックアップしてくれた。行きたい場所が決まり、「グーグルマップにプロットして」と頼むと、Geminiは日本地図にマッピングしてくれた。これでおおよその旅行計画はつくれた▼旅先ではYahoo!の路線情報が役立った。その時点での最適な路線を紹介してくれる。おかげで函館本線の人身事故も、東北本線の強風による運休も回避でき、福島から新潟に抜ける方法も高速バスをサジェストしてくれた▼紙が必要なくなったのでは決してない。私は旅行中、太宰の『津軽』や芭蕉の『奥の細道』は持ち歩き、手垢がつくほど読み返した。それらの紙の本がなかったら、旅情はこんなにも趣深いものにはならなかっただろう▼表層的には紙は使わなかった。しかし私の脳裏には、何百冊もの紙の本から得た知見なり、感慨なりがある。それなしにスマートフォンに頼って旅していたら、AIの奴隷でしかなくなる。(光山)














