【コラム清風014】彩のない世界は心を沈殿させる

筥崎宮(福岡市)の楼門には、元寇のゆかりから「敵国降伏」と書かれた扁額が古くから掲げられている。太平洋戦争時には戦勝祈願のシンボルとしてこの扁額をデザインした10銭切手が販売された。ところがもう戦争も末期、2色刷りすら難しく1色印刷を余儀なくされた▼カルビーのポテトチップスの包装がモノクロ(白黒)になったというニュースに、戦時体制を連想した人も多い。私は旧ソ連や北朝鮮の店頭を連想した▼彩りのない世界は心を沈殿させる。大人だけではない。発達心理学的にも子どもの生育に影響を及ぼす▼意外にもエコロジーや資源安全保障の観点から、カルビーの決定を支持する人も多い。印刷業者としての観点だけではなく、一消費者、一国民の観点から、この問題を考える必要がある。ただ、個人的には店頭がモノクロになる世界は寂しい。

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