【コラム清風003】フェイク動画の氾濫と紙の書籍の世界

いよいよ見分けがつかなくなってきた。戦地から帰還したアメリカ兵が家族と抱き合う感動的な動画、幼児が生まれたばかりの妹に嫉妬するほほえましい動画、猫がテレビに流れる映画の名シーンに見入るコミカルな動画…ぜんぶフェイク動画だった。もう何を信じ、何に共鳴すればいいのかわからない▼なんのアルゴリズムか、私のSNSには街角で暴力を振るう人間のシーンとか、浮気をする若い男女の話とか、見るに堪えない動画が強制的に流れる。私にとってはノイズでしかないのに▼週末にスマートフォンを見ずに文庫本の読書に浸った。透き通った風、美しい朝の光、踊り出すかのような動物や不思議な生き物たち…宮沢賢治の森の世界は、ノイズとは無縁だ▼「閉じられた世界に浸っていたい」そんなときはやはり紙の書籍だ。業界人としてではなく、心からそう思う。必ずそういったニーズは増えてくるはずだ。(光山)

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