【Horizon Smart Factory 2026 in HIPレポート】後加工を起点に、利益創出のための自動化を

「Horizon Smart Factory 2026 in HIP」の国内プログラムが2026年10月28~30日まで、滋賀県高島市にある株式会社ホリゾン本社びわこ工場内のHorizon Innovation Parkで開催された。同イベントはホリゾンの製本・後加工機と、協賛各社のデジタル印刷機とシームレスに連携させることで自動化・無人化されたスマートファクトリーをユーザーに実体験してもらうもの。第4回となった今回は、協賛各社の最新鋭デジタル印刷機との連携のほか、AMR(自律走行搬送ロボット)やベルトコンベア、パレタイジングロボットなどの運搬系システムが連動し仕掛品の滞留を防ぐ全体最適化が示された。

近未来のスマートファクトリー像示す

21台もの製本・後加工ラインと、協賛各社の最新鋭デジタル印刷機がところせましと展示された同イベントでも、もっとも注目されたのが「無人化ゾーン」である。各回25分のツアーには整理券が配られる盛況となった。消灯された無人化工場を模して演出効果を狙った同ゾーンでは、デジタル印刷機の印刷終了を合図に2台のAMRが連動し、仕掛品をスタッカーから中間ステーションへ、さらに後加工機のスタッカーまで滞留を少なく運ぶ模様や、伊東電機製のコンベアラインで自動仕分けや梱包、パレタイズまでを行う模様などが示された。同時に「無人化との共存」のテーマに沿って、オペレーターがスマートグラスや自動ハンドリフトなどを使って人とロボットが協同するところや、デジタル印刷機とのインライン後加工機をオフセット印刷機のニアラインにも切り替えられるソリューションを提案し、現実的なスマートファクトリーが提案された。

コニカミノルタとホリゾンの業務提携が発表され、同日セミナーも開かれた。

「スマートファクトリーゾーン」は、協賛各社がデジタル印刷機と後加工機との連携をアピールしていた。このうちSCREENは近日発表の「Truepress JET S320」(1200dpi×1200dpi、A4毎分150枚、SRA3対応)を先行展示し、「Truepress JET 520HDmono」と並行させ、「カラー表紙+モノクロ本文」「モノクロ説明書」の2ジョブをワークフロー「EQUOS」で仕事の振り分け、自動面付、印刷、製本するまでを実演した。また出版印刷の広済堂ネクストが先日開始したデジタル・ショートラン(DSR)サービスによる印刷製本の見本も展示された。

三つ目の「ワークフローゾーン」は、一見目立たないがもっとも重要なソリューションが展示されていた。数々の機器とシームレスに連携できるのはホリゾンのプラットフォーム「iCE Link」があるからで、作業伝票を1度入力するだけで、プリプレス・プレス・ポストプレスの各機器が自動で仕様を読み込み、自動化・省力化を行うことができる。今回はホリゾンが稼働状況を可視化し分析できる「ICE Analyzer」を展示していたほか、ハイデルベルグがワークフロー「プリネクト」とiCELinkとの連携を強調していた。

ホリゾンのプラットフォーム「iCE Link」
ポストプレスの自動化こそ利益の源泉

1日目だけだが取材して感じたことが2つある。

1つは、プリプレス・プレス・ポストプレスのうち、ポストプレスが現在最大の労働集約型で、ゆえに自動化効果がもっとも高いのではないかということである。過去20年で、プリプレスは自動面付など、プレスではインキプリセットなどでジョブチケットによる一気通貫のメリットは享受された。しかしポストプレスは依然、オペレーターが機械の履歴を呼び出し、操作しているのが実態である。さらにいえば印刷→折り→綴じ→断裁→出荷という工程の多さ、表紙と本文の照合という煩雑さもある。この工程を自動化すればオペレーターは削減でき、自動化への投資の原資となるのでないかということだ。

2つめは「刷って終わり」ではなく、むしろ「印刷終了が起点」になるのではないかということである。印刷だけでは差別化は難しく、付加価値も取れなくなった。むしろ印刷以降の省人化こそ、利益の源泉になるかもしれない。今回のイベントでも、印刷終了を合図に、AMRがデリバリーにフォークを差し込み運搬する、さらにはベルトコンベアが仕分けし、自動梱包するなどのソリューションが示された。後加工は「フィニッシング」ではなく、むしろロジスティックスへの起点になる。そこに印刷会社のビジネスチャンスが生まれると感じた。

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