
電通は2026年3月5日、「日本の広告費2025」を発表した。それによると日本の総広告費は8兆623億円(前年比105.1%)と4年連続で過去最高を記録した。うちインターネット広告費は4兆459億円(同110.8%)と構成比が50.2%とはじめて過半数に達した。印刷業界の視点から、「日本の広告費2025」を解説したい。

「日本の広告費」には印刷費は含まれていない
毎年調査の「日本の広告費」は印刷費が一切含まれておらず、印刷業界にとっては注意が必要である。例えば「折込」とは新聞に折り込まれたチラシの折込料のみを指すし、DM(ダイレクト・メール)に至っては郵送代・配送料のみがカウントされる。そのためこの「日本の広告費」から印刷媒体のシェアを割り出すことはできない。
それでも印刷媒体の広告枠予算の推移を見ることは意義がある。折込は2354億円と前年比96.4%、DMは2708億円と同94.6%、フリーペーパーは1056億円と80.9%、新聞は3136億円と前年比91.8%、雑誌が1135億円と前年比96.3%と軒並み大きく減少した。
商業印刷市場自体は横ばい
電通は「日本の広告費」に印刷費が含まれていないとの指摘を受け、近年は「商業印刷市場」と「DM制作関連市場」を別建てで調査している。それによると商業印刷市場は1兆7500億円と前年比99.4%、DM制作関連市場は1121億円と同102.2%と横ばいとなっている。このことから物理的メディアの原材料費や物流費の高騰により価格転嫁が進んだことと、DMの1通あたりの製作費は上昇しており、ターゲットを絞り込んでいることがわかる。
データドリブンがカギに
今回電通が注目しているのが「リテールメディア」である。小売が捻出するリテールメディアは6066億円で、2029年には1兆3174億円になる見込み。小売業界が折込チラシに大きな予算を取っていることが日本の特徴であるが、今後、小売業界は顧客データ(いわゆるレシートデータ)を駆使したオンライン広告に予算をより配分することになると見込まれている。
これらのことから、印刷業界は顧客データを活かし、オンライン広告と連動させたメディア提案がより重要になってくることは明らかである。DMしかり、チラシしかり、データドリブンが大きなカギと言える。















