
デンマークは2000年代から「世界一の電子政府」を掲げた結果、郵便物は20年で90%以上減少し、郵便事業体ポストノルドも手紙の配達をやめた。郵便局やポストも段階的に撤去されている▼鍵を握ったのは「Digital Post」、いわゆる電子私書箱システムだ。国民の95.1%が加入し、物理的な行政通知だけでなく、企業や消費者の手紙の配達需要もほぼ消失している▼調査によると95%以上の人がデジタル郵便を好み、銀行や年金提供者からの物理的な郵便物を受け取ることを好む人は5%未満だ▼翻って日本はどうか。予防接種や給付金など、行政手続きが発生するたびに、膨大な書類が送られる。物理的な行政通知を好む人はやはり5%程度はいるのだろう。だがその5%の国民のために無駄な印刷物が大量発生するのは納税者としても、サステナブルな生活を志向する市民としても納得がいかない▼印刷業界としては行政通知がなくなるのは大打撃である。ただデンマークは対岸の火事ではない。(光山)














