【コラム清風028】村上春樹の新作に想う

202673日、村上春樹の新作『夏帆─The Tale of KAHO─』が新潮社から発売された。午前0時にファンが書店に殺到するニュースを流すのは、いわゆる「熱狂マーケティング」とか「ハングリーマーケティング」などと言われており、初期のiPhoneのマーケティング手法と変わらない▼新聞には「作者初の女性が主人公の作品」との見出しが躍っていたが、違う。「眠り」「ゾンビ」「氷男」など数々の作品を出している。女性が主人公の「長編」は確かに初めてだが▼村上春樹やその作品自体をうんぬん言っているのではない。むしろ、タイトルとは裏腹に現実に目覚めてしまう「眠り」も、南極への旅行で男との距離感を悟ってしまう「氷男」も、私の大好きな作品だ▼『ノルウェイの森』で1300万部を売った村上春樹だが、御年77歳。本が売れる時代ではないことも本人も認めている。人気小説家の爆発力に期待したいが、書下ろしでもない今回の小説、果たして何万部売れるか。注目したい。(光山)

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